昨年末、大々的に発表されたChat GPT。2015年に設立されたopenAIという人工知能研究所が開発したチャットボットのモデルです。Transformerと呼ばれる深層学習の手法を用いた言語モデルGPT3を基に構築されています。
次世代AIなどと騒がれており、プロトタイプのリリース後のユーザー数が100万人を突破を5日で達成し、既に1億をこえています。
なぜこれほど注目されているのでしょうか?
その特徴は、人工知能によって学習させられた大規模なテキストデータを分析し、まるで、生身の人間が答えているかのような自然な文章を生成できることです。
人工知能・優秀なAIと聞くと、AmazonのアレクサやアップルのSiriをイメージする人が多いでしょう。両者ともに人工知能であることには変わりありませんが、アレクサとSiriは音声対話、ChatGPTはテキスト対話という違いがあります。また、アレクサやSiriよりも抽象的・感情的な対話が可能で、ユーザーのフィードバックを受けて自身の間違いを認識したり、人の気持ちになった回答ができたりします。
従来のchat AIは例題を作成し、回答を作成するための教師ありデータを作成し記憶させるモデルでしたが、この方法では大量の情報を作成しなければならず、回答にも偏りが生じ、思った回答を得られないという課題がありました。
今回のモデルはPre-training(事前学習)」と「Fine-tuning(微調整)」を行うことによって教師有りデータを大幅に削減し、対応範囲を大幅に向上させることに成功しています。
あらかじめAIに文法や文章の意味を学習させて(Pre-trainging)、その上で翻訳や文章分類などのタスクを学習させる(Fine-tuning)という方法を取ったのです。その結果、飛躍的に性能が向上した対話型チャットボットのモデルができたのです。
2021年までの知能を保持しておりプロトタイプの公開によって更なる知の育成が見込まれるモデルでありGoogleに変わる新たな情報収集手段となる可能性を秘めています。また、プログラミングに関する答えも豊富でChatGPTで簡単なプログラムを組めてしまうという点も話題性を秘めています。
ある部分では人間の能力を超える日も近いのかもしれません。